セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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第3回東尋坊愛のマラニック103km(その4)

   
 「どこでだか分からんがコースアウトしてから、北陸道にぶち当たるまで、自分は幹線道路(国道416)に沿ってひたすら走ってきたはずだ。ならば来た道を引き返しさえすれば、どこかで正規コースに戻れるに違いない。いや、意地でもそうなってもらわんことには困るのだ」などと必死に己に言い聞かせ、Uターンを始めたものの、「いや、ひょっとするとコースアウトしてから、どこかで一度くらい角を曲がったような気がしないでもない」といった疑念も完全には捨てきれない。そんなきわめて危うい精神状態の渦中にいた時、その「おじさんランナー」は、前方からゆっくりとこちらへ近付いてきたのでした。

 あかんあかん、こっちに来たらあかん!/私は大きく手を振ってから、胸の前で×点を拵えて見せます。おじさんランナーは少し首を傾げ、足を止め、私が接近するのを待ちました。
 「なんやなんや、こっちと違うんか?」とおじさん。
 「違います違います。これ以上行っても、矢印もエイドもさっぱりです」と私。「ところで、ここまで来る途中、右とか左に一度でも曲がりましたか?」
 「いや、ずーっと真っ直ぐ走ってきただけや」
 おじさんの言葉に、私は胸中でパシッと手を打ちました。「じゃあ大丈夫。いけます、戻れます。とにかく引き返しましょう」
 狐に摘まれたようなおじさんを半ば強引に説き伏せ、二人で来た道を引き返します。「でも矢印、見落とした筈ないんやけどなあ…」おじさんが時折洩らすその言葉、痛いほど解ります。私も矢印を見落とした筈がないのです。でもこうして現実に迷っている。どうにも割り切れないその思いも、とにかく引き返せば、どこかの時点ではっきりするに違いありません。
 でも良かった。同じ迷子でも一人より二人。共に走るおじさんの存在の、なんと心強いことよ。未知なる惑星で、もう私は独りぼっちじゃない(笑)

 どこかに矢印が現れないかと二人して慎重に歩を進め、どれくらい引き返した頃だったでしょう、遠く前方にゼッケンを着けたランナーが数名、動くのが見えました。
 私たちは咄嗟に自販機の陰に身を潜めました(尾行中の刑事じゃあるまいし、何故そんなことをしたのか、今もって理解不能)
 「やっぱりや。やっぱりこのルートで間違ってなかったんや」とひそひそ声のおじさん。
 「いや、そんなはずは…」私も固唾をのんでランナーたちの動きを凝視します。
 と次の瞬間、こちらに直進してくるかに見えた彼らが、交差点の辺りで一人、また一人と右折し、視界から消えていく。
 顔を見合わせた私たちは物陰から飛び出し、インパラに襲い掛かるチーターのような勢いで交差点に駆け寄る。とそこには紛れもなく、右折れを示す誘導矢印ボードが……。
 この交差点の光景…確かに通過した記憶がある。しかしその記憶から、右折矢印だけがすっぽりと欠け落ちている。わからん…ここを通過した際、私は一体何を考え、何を見ていたのか、自分のことながら、さっぱりわからん。
 呆けたような口調で私がそう告げると、おじさんは言った。「不覚やった…ここを通った時、わし、あの寿司の看板見上げとったんや」おじさん、私なんぞとは人間の器が違います(笑)

 ともあれこれで迷宮からの脱出に成功! 距離は12~15kmくらい走ったでしょうか? 時間はたぶん一時間半くらいだと思うが、感覚としては数十時間もさまよっていた気がしてならない。
 さあ、ここから挽回だ。時間もスタミナも確実にロスしたが、制限時間に間に合う限り、走り続けるのみ!
 交差点を右折後、鳴鹿橋を渡り、九頭竜川の北岸へ出る。ゴールでの再会を約束し、おじさんとはここでお別れ。先を急がせてもらいます。

 この後、78.6km高ぼこ東部公民館→81.6kmきたがいち→85km春江中公民館→89.4kmゆりの里公園→93.6km木部東農協倉庫→100km三国港駅、と順調にエイドを消化。
 が、いかんせん、写真がありません<(_ _)> ロス分を少しでも取り返そうと足掻きに足掻いたため、精神的余裕がなかったのであります。こんなことではいけません。わたくし、まだまだ小者です。真の大人(たいじん)はこんな時こそどっしりと構え、思う存分景色やエイドを満喫し、ゴールされることでしょう。いつか私も、そうなりたいものです。

 ともあれ三国港駅エイドでは例の女性スタッフさんに「遅うなりました」と告げ、迷走したことを手短に説明。「とにかくあとひと頑張り、行ってきます!」と早々に走り始める。

 うおお、ここからラスト3km、東尋坊までは上りばかり。あの岬の突端に聳えるのが、東尋坊タワーだ。来た。103kmの道のりが120km近くになってしまったが、ついにここまで来た。
20140523144530ab2.jpg
 坂道を上りきり、左へ。東尋坊入口のゲート前ではスタッフさんが大きく手を振ってくださっている。嬉しい。迷走のただ中で、一度は諦めかけた帰還の瞬間。ゲートをくぐり、誘導に従ってゴールの芝生広場へと。
 そしてゴール。公式記録は分からんが、12時間45分くらい。
201405231446063f6.jpg
 ちょこぷりんがピンクのハートの完走メダルを首にかけてくれる。似合わねえ。おっさん照れまくり。でも、底無しに嬉しい。
 続いて鐘を鳴らして夕陽に愛を叫ぶ儀式があったのだが、何を叫んだのか皆目記憶にありません。私、アドリブに弱いのです(笑) ただ、海に沈む夕陽には、まだ時刻が少し早過ぎた。

 広々とした更衣室で着替えを終え、畳の上でぼんやりしていると、あっ、来た来た、首からハートをぶら下げて、あのおじさんが還ってきた。おじさん、私に気付くなり、「おおっ、命の恩人!」と一声。
 それを言うなら私の方も、引き返す途中でおじさんに出会えていなければ、心細さから発狂していたかもしれません。ありがとうございました。紆余曲折を乗り越え、二人ともゴール出来て本当に良かった。
201405231446474b3.jpg
 更衣室下の「海船や」さんでうどんや貝焼き、海老の味噌汁などを頂いてから、帰りの送迎バスの出発を待っていると、ああ、見えました、日本海に沈む夕陽が。
 長かった一日の終わりの、最高の瞬間。終わり良ければすべて良し。背中(せな)で泣いてる日本海、と最後はハードボイルドに決めて、おっさんは宿へと戻りましたとさ。めでたしめでたし。

 ※来年もなんとか都合をつけて、ぜひ再チャレンジさせてもらうつもりです。例の右折矢印、トラウマになるほど心に刻みました。もう見落としません。とかなんとか言ってたら、今度は別の箇所でコースアウトして、今度こそ行方不明になってしまったりして(笑)
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最近はpink_manと名乗っております。元かまくランナーです。

完走おめでとうございます。

たいへん楽しく読ませていただきました。
結果として120kmとは凄いですね。タイムも速いし。
もしかして、思わぬところで最長距離ですか?

愛の東尋坊だけに、おっさんとの愛が芽生えてしまったのですね。
>>pink-manさん
コメントありがとうごいます。
いつもアホなレポをお読み頂き恐縮です(^_^;

120kmは村岡の記念大会までとっておくはずだったのが、結果的にはそれに近い距離まで達してしまいました。
前半の貯金で、どうにかゴールインできたものの、村岡や丹後だともう確実に時間切れ、スタミナ切れになっていたことでしょう。

「おっさん」と「おじさん」の「愛」については、ノーコメントとさせて頂きます(笑)


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