セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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プロフィール

まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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肥後守

   
800px-Higonokami_kanekoma_standard_A02.jpg
 小学生だった頃の話です。
 当時学校で鉛筆を削る方法といえば、教室に一台は設置されていた電動式の鉛筆削り機か、各自が筆箱に携帯していたミニ鉛筆削り(鉛筆の先っぽを差し込んでくるくる回すと、にゅっとカールした削り滓が出てくるやつ)が主流でした。

 しかしクラスメイトのF君は、折り畳み式の小刀で鉛筆を削っていました。
 初めてその光景を目の当たりにした際には、大変驚いたものです。机の上にティッシュを一枚広げたかと思うと、筆箱から何やら見慣れない金属の板を取り出したF君。次の瞬間、金属の板からは、鈍い光沢を放つ「刃」がパチンと引き出されたのです。子供ながらその刃が発散する禍々しさに、ゾクゾクしたことを憶えています。

 F君は刃の背面に親指の腹を当て、鉛筆の先を器用に削っていきます。とは言っても、鉛筆削り機でやった時のように綺麗に削りあがるわけではありません。白蟻がかじったみたいにゴツゴツと不格好に仕上がるのです。
 それがまた格好良かった。荒くれた鉛筆の面構えが、刃物の妖しさと相俟って、何とも魅力的に映ったものです。
 彼の使っていた小刀が「肥後守(ひごのかみ)」という名称であることを知ったのは、後年のことです。

 それにしてもF君は何故そんな物で鉛筆を削っていたのでしょう。自分で購入したとは思えませんので、たぶん親御さんの方針だったのでしょう。指を切るリスクを承知で、いっちょう自分で削ってみろ。ただし、他人に向かって振り回すような真似は間違ってもするな……そのように言い含め、小学生の息子に買い与えたのではないでしょうか。私の想像ですが。
 だとしたら何とも立派な親御さんではないですか。「いざとなったら小刀一つで生きてゆける男に育ってほしい」そんな親御さんの思いが、あの肥後守には籠められていたのかもしれません。

 先日ニュースで一人一台ダブレット端末を与えて授業を行う、どこかの小学校の光景が流れていました。それを観て、ふとF君と肥後守のことを思い出したのです。
 字もまだ満足に書けない年齢の子供に、本当にダブレット端末など必要なのでしょうか? 得るものよりも失うものの方が多いという結果になりはしないでしょうか?

 何かが起こった後の世界……電気という命綱を失い、単なるまな板と化してしまったダブレット端末を前に呆然と立ちすくむ子供たち。
 そんな彼らを横目にF君は、石斧だけを片手に、暗黒の地平へと歩き出して行く……そんな光景が目に浮かぶようです。
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