セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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伊賀忍者武術大会マラニック山城編(その2)

   
 なんとなく気が引けつつも、おばさんちの家族が食べるはずであったゆで卵の殻をさささっと剥き、テーブル奥に置いてある塩を貸してほしいと言い出せないまま、えいやッと口に放り込みます。半丸飲みです。それでも塩水で茹でてあったせいか、ほんのり味がしてイケました。
 立ち上がり、現場を後にする犯人のような心境でエイドを出ます。腹がクチて元気が出るどころか、むしろ走り始めるのが億劫になってきました。と、出口の側にいたスタッフのおじさんが声をかけてきます。卵の件で叱られるのかと思いましたが、違いました。
「なるべく何人かで固まって行きや」とおじさん。
 もしやこの方がトライアスロンクラブ代表の井上さんでは・・・と思いつつ「はあ」と返事をします。
「たしかに集団で行ったほうが迷わなくて済みますね」
「うん、それもあるんやけど・・・」なぜかおじさん、浮かぬ顔です。「猿が出よるんや」
「猿ですか!!」絶句する私。
「そう。今の時期、子猿の活動が一番活発で、暴れよるんや」
 恐ろしいことです。山道を脱するまで、これはなにがなんでも一人になるわけにはいきません。
 おじさんにぺこりと頭を下げ、脱兎の如く駆け出します。満腹で動くのがだるいと感じていたのが嘘のようです。
 しばらくはなんとか先行する集団に追いつこうと、必死で走り続けます。やがて前方から賑やかな雰囲気が漂ってきました。売店があります。たくさんのランナーの姿を見つけ、緊張感が一気に弛みます。
 売店の横の道路を越えると、そこには木立があります。どうやら最後の山越に突入するみたいです。なおかつ猿の襲撃というおまけがつくかもしれません。ここで最後の英気を養っておくのが得策です。
 自販機で食後の缶コーヒーを買い、ひと息に飲み干します。見ると店の軒下では、ソフトクリームの旗が揺れています。これは食べないわけにはいきません。
 店内のマシーンで一つこしらえてもらいます。さすがにお茶の産地です。メニューは「抹茶ソフト」オンリーです。ストロベリー、チョコといった邪道な味はありません。
IMGP0018.jpg
 外のベンチに腰掛け、昼過ぎの日差しを浴びながら、しみじみと抹茶ソフトを味わいます。生きていてよかった、と思える一瞬が、こんなところにもありました。
 ソフトクリームを食べ終えて間もなく、休憩していたランナーの一団が立ち上がりました。私も慌てて用意を始めます。すでに空になっていたスポドリのボトルを処分し、一団に続いて道路を渡り、未舗装の山道へと足を進めます。だいぶ水を飲んだにもかかわらず、トイレに行きたいとは思いません。それだけ汗をかいている証拠です。
 最初緩やかだった登りは、やがて急な傾斜へと変化します。苦痛にめげそうになる気持ちを、斜面のそこかしこに広がる見事な茶畑の光景が癒してくれます。しばらくすると、尾根に出ました。この先は童仙坊という一帯らしいのですが、猿が出没するというのはこの辺りなのでしょうか? 今のところそれらしき気配はありませんが、まだまだ油断は禁物です。襲撃されれば猛ダッシュでその場を脱するか、逆に居直りひと暴れするか(大猿が子猿の群れを撃退するという、非常に醜い構図になってしまいますが・・・)の二つに一つです。
 そんな妄想に耽っている内に、道は緩やかな下りへと変わっていました。前方にはアスファルトの道路が見えます。危険地帯はひとまず脱したと考えていいでしょう。
 ホッとする要素は他にもあります。なんとそこには焼そば屋さんの軽トラが(゚Д゚)・・・私は白昼夢を見ているのでしょうか? 
IMGP0019.jpg
 いえいえ、これは現実の光景です。その証拠に路上に敷かれたブルーシートでは、数名のランナーが美味そうに焼そばをすすっているではありませんか。
 テーブルに近づき、恐る恐る焼そばのパックに手を伸ばします。「頂いていいんですか?」
「どうぞどうぞ」と焼そば屋さんのご夫婦。その笑顔にどれほど癒されたことか。
 座り込むと走り続ける気が失せてしまいかねないので、木陰に移動し、立ったまま頂きます。ソース焼そばでなく塩焼そばなのは、主催者、もしくはご夫婦の配慮か。とにかく美味い。紅生姜もgood(^_^)。がつがつと平らげ、携帯してきたエビアンを一気に飲み干します。これで背中が軽くなりました。
「ごちそうさまでした。行ってきます」
「頑張ってください」
 ご夫婦に心からのお礼を述べ、写真奥へと坂道を駆け下っていきます。おそらくもう舗装路ばかりでしょう。ピークは越した、そんな気がします。
 背中が揺れなくなったせいか、急な下りを快調に飛ばしても、それほど脚が辛くはありません。ぐいぐいと距離を稼いでいきます。やがて道は平らになり、ふと電柱を見ると、そこには「笠置町」の文字が。ラストが見えてきたことで、俄然元気が湧いてきます。
 笠置の町中に入っても、写真のような急坂がありましたが、どうってことはありません。道に迷う心配から解放されたのです。心の重荷は体の重荷であることに、今更ながら気づかされました。
IMGP0020.jpg
 そして、ついに木津川沿いの国道163号に行き当たりました。あとは道路に沿って少し西へ向かい、橋を渡って川向こうの笠置温泉へたどり着くだけです。
 喉が渇いたので缶コーヒーでも買おうと自販機を探しました。すると、ありましたありました! チェリオの100円自販機! この期に及んでまだ20円の差額にこだわってしまう、ああ哀しき我がセコさよ。まさにこのブログのタイトルそのままです。
 橋を南側へ渡り、町中を表示に沿って少し走ると、いよいよゴールの笠置温泉「わかさぎの湯」が見えてきます。
 写真ではスタッフの方がゴールテープの片側を持ってくださっていますが、私がゴールインする際には、スタッフの方は荷物の受け渡しに手間取っておられ、テープは柱からタイルの上へと垂れ下がっておりました。私はしみじみとその上を跨ぎ、腕時計のストップウオッチを止めました。4時間37分24秒。このタイムが良いのか悪いのか、そんなことはもう大したことではなくなっています。ただストップウオッチを止めるピッ!という音だけが、やけに大きく反響したことを覚えています。
IMGP0021.jpg
 入浴券を頂いて、広い湯船に肩まで浸かり、解放感の中、いろんなことを考えました。
 そう言えばこの大会、「忍者の武術大会」ということだけれど・・・何かそれらしきことしたっけ? 例えば手裏剣とか鎖鎌とか? したけれども私が忘れているだけなのか? んんん・・・よく解りません。
 とにかくこれで今年前半のレースは全て終了です。
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