セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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第14回2014歴史街道丹後100kmウルトラマラソン(その4)

   
 さあ、いよいよ丹後ウルトラ100kmコース最大の難所「碇高原への登坂」の始まり始まり。60km地点から途中一度下りへ転じる箇所がほんの少しあるものの、ピークの70km地点まで標高400mを登りきる。ピークを過ぎればお次は80km地点の辺りまで、今度は400mを駆け下る。極端なアップとダウンだけで構成された、まさに「試練の場所」。
 二年前の経験を元に今回私が立てた計画は、下図のA点からB点までは、「赤字覚悟で歩きも辞さない」ということ。この区間で下手に「走り」に執着すれば、その後のB点からC点を駆け下るに必要な「膝のスタミナ」が無くなってしまう可能性が大。
 逆の言い方をすれば、ここで脚をある程度労っておけば、ピークを越えた後、10kmに及ぶ下りを利用して、やり方次第では赤字を黒字に転換することも夢ではない。と言葉にするのは簡単だが、実際にやるとなるとこれが非常に恐ろしい。長い下りを一気駆けすることでダメージを受け、下手をすれば海岸線へ出てから大失速してしまう可能性もある……要するにギャンブル性の高い計画なわけです。
 しかし私はギャンブラー(笑) ハイリスク・ハイリターンの法則に賭けた! と格好をつけて、急な坂道をあえぎあえぎ歩き出すのでありました。絵にならねえ~。
0aa9a993-picsay.jpg
 63.7km地点、新中津橋手前エイド。一旦下りに転じるのはここから。これが曲者。初出場だともう頂上だと錯覚し、脱力してしまう。しかし本当の登りは、この後襲い掛かる。
20140919172833d8d.jpg
 「その手には乗らんぞ」と毒づきながら、カンカン照りの下、私は時間の貯金がけっこうなスピードで目減りしていく焦燥感に耐える。仕込みをケチればあがりもしれているのだ(なんのこっちゃ)

 そしてついに登頂に成功。リスクは犯すだけ犯した。下り坂を様子見で走ってみる。うむ、膝の踏ん張りもOK。よっしゃリターンしてくれるぞ。その前に牧場に寄って、腹拵えをせねば。
201409191729130c9.jpg 頂上から少し下った場所にある「碇高原管理事務所エイド」73.5km地点。これで第三の関門も無事通過。
 ここにもマッサージブースが設置されていたが、無論スルー。最低限の栄養補給を終えると、すぐさま下り坂に飛び出していく。ええい、黒字転換してやるぞ。
20140919172948448.jpg
 長い下りをいいことに、グイグイスピードを乗せていく。風を切り、前のランナーを抜き、そしてまた抜く。脳裏ではスロットマシーンのドラムが目まぐるしい速度で回転を続けている。「もうどうにも止まらない(byリンダ)」とは、こういうことなのかと実感する。次の瞬間背中からやにわにペガサスの羽が生え、ふわっと身体が離陸する幻想にとらわれる。さすがにこれには自分自身、恐ろしくなった(笑)

 その甲斐あって、感覚的にはあっと言う間に80km過ぎまで下山。やった海が見えた! 胸が熱くなる。下りのスピードにもどうにか耐えきった。赤が黒に転換したかまでは分からないが、かなり時を稼いだことだけは確かだ。
20140919173034f28.jpg
 海岸線に沿って走る国道178号線を西へ向かって、つまりゴールの待つ網野へ向かってひた走る。本当の意味でのハイリターンは、ここからゴールまでの約20kmをどう走るかにかかっている。
 海へと目を転じると、丹後松島や屏風岩などの絶景が横たわっている。しかしもう写真を撮っている余裕はない。歯がゆいが、今は一兎を追うのみだ。
20140919173113cec.jpg
 そして来ました86.7km地点「丹後庁舎エイド」。ここが最終関門。
20140919173147df8.jpg
 関門にたどり着きほっとしたせいか、はたまた下り坂で飛ばしすぎたせいか、脚が急激に重くなってきた。よほどマッサージを受けようかと思ったが、すれば心が間違いなくへし折れる。奥歯を噛んで目を背け、魚のつみれ汁を啜ってから、最後の13Kmへと駆け出していく。
2014091917322133d.jpg
 その風情が大好きな間人(たいざ)の漁師町を後ろ髪を引かれる思いで素通りした辺りから、13時間切りが微妙になってきたことを意識し始める。幾ら今回はタイムをさほど気にしない方針とはいえ、こうなってくるともう平常心ではいられない。脚のだるさは限界に近い。が、これで最後までハイリターンに執着する理由が出来た。やるしかない。

 98.6km地点にある網野北小学校前の最終エイドもスルーした。そしてついに網野の町中へ。
 少しづつ陽も傾き始めている。早朝からの長い戦いだったが、ともかくここまで戻ってきた。頭上では張り巡らされた万国旗が夕暮れの風にはためいている。沿道では住民の方々が、笑顔と拍手で迎えてくださる。嬉しい。目の奥が熱くなる。夜行バスなんぞで来て、一泊も出来なかったことがなんだか心苦しい。皆さん、すんません。また後日、今度は観光できっとやって来ます。
20140919173301467.jpg
 そんな詫び言を胸中でつぶやきながら、私はアミティ丹後に設営されたゴールゲート前の花道へと突入していく。白紙に近い頭で、名前とゼッケン番号がコールされているのを聞く。還ってきたのだ……確かな感触と共にテープを切る。オフィシャルのデジタル時計を一瞥する。13時間と36秒。
 わずかだが届かなかった。とはいえ、夏場の練習不足を重々承知で、とにもかくにも走りきった。充分じゃないか……メダルを掛けてもらっている最中、そんな自分の声を聞いた。

 三大会に及んだ今年の私のウルトラマラソンは、こうして幕を閉じた。同時に本当の意味での夏も終わった。雨が多くおよそらしくない夏ではあったが、最後の最後でこうして強い日射しの下を走らせてもらえた。そのことが何よりも嬉しかった。
20140919173344383.jpg
 更衣室へ行き、あちこち痛む身体を持て余しながら着替えをすませた。どこかで歓声が聞こえた。
 そうだ、私のゴール後もレースはまだ続いているのだ。しかもそれはゴール閉鎖まで一時間を切った、まさしく死に物狂いの攻防戦だ。
 自分がおっさんであることも忘れて、こんな所で去りゆく夏の感傷に浸っている場合ではない。そんなことはサザンにでも任せておけばいいのだ。
 応援に行かねば。花道に立って、ぎりぎりの帰還を果たすランナーたちの姿を見届けねば、それこそ男が廃るってもんだ。と浪花節を吹かせたところで(番外編へと続きます)
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