セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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満州国演義

   
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 この春、癌で逝かれた小説家・船戸与一さんの遺作「満州国演義」が、文庫版になって新潮社から刊行が始まった。
 船戸さんが十年の歳月をかけて書き進めた全九巻。最後の三年ほどは放射線治療を受けながらの執筆となり、もしや未完になるのでは……とハラハラもしたが、無事完結。間もなくして逝ってしまわれた。

 まだ学生だった頃、「山猫の夏」を読んで衝撃を受けて以来、船戸与一の小説は、新作が刊行される度に単行本で購入し、欠かさず読んできた。おそらく我が書架には、船戸さんの作品が、全作揃っている筈である。

 ただし満州国演義については、完結してから一気読みしたかったので、年一冊ペースで刊行される単行本を買いたいのを我慢してきた。船戸ファンとして、これはかなり忍耐を要した。

 そして今春、めでたく完結。その直後、船戸さんの訃報に接した。
 長大かつ、それほど売れるような性格の小説でもないので、追悼企画としてすぐに文庫化されなかった時点で、どこか諦めてもいたのだ。この出版不況である。文庫にならない小説も多い。単行本を一巻からぼちぼち集めていくか、と考え初めていた矢先に、ついに来た、文庫化の朗報! 待った甲斐があったというものだ。

 終戦七十年目の夏との絡みから企画されたものだと思うが、理由はどうであれ、待ち望んだ身としてはありがたい。先月末に第一巻「風の払暁」が刊行(新潮文庫)。第二巻の刊行が早くも今月末に予定されている。どうやら月刊となるようだ。船戸さんが命と引き替えに完結させたと言っても過言ではないこの超大作を、九ヶ月かけて賞味させてもらうとしよう。

 盆休みに第一巻に着手する。船戸さんが己の腕一本で描きあげた、長い長い物語を、少しずつ辿っていく。これを読み終えれば、もう著者の新作に出会えないわけだ。それが何よりも淋しい。

 船戸さんにとっての初盆。「馬鹿野郎! 大の男がしみったれたこと言ってんじゃねえ!」
 そんなおっちゃん(船戸氏)のカラッとした怒鳴り声が、ロングピースの香りと共に届いてきそうな気がする。夏空にむくむくと湧く、入道雲の彼方から。
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