セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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野分(のわき)

   
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 お猶「ねえ」
 お栄「うん」
 お猶「死んだら地獄へ行くよ」
 お栄「・・・・・」
 お猶「地獄ではお地蔵さまに石を積んであげるのが仕事だ」
 お栄「なぜ」
 お猶「なぜって決まっているのだから仕方がない」

 ※杉浦日向子著「百日紅(下)」収録、「野分」より抜粋。


 お盆になるとふと思い出す漫画の一節です。
 栄と猶は絵師北斎の娘です。末娘の猶は生来盲目で、幼少の頃から琵琶法師の弟子として、尼寺に引き取られて育ちました。その猶が脚気を患って、母(北斎の後妻)の元へ帰されてきます。
 長女の栄は北斎が猶の身を案じて描いた魔除けの絵を持って、母と猶の元を訪ねます。そして母の勧めもあり、その夜は泊まっていくことにするのです。
 ひとつ蚊帳の中で、歳の離れた姉妹は枕を並べます。盲目の猶は蚊帳の上に気配を感じ、姉に伝えます。栄が行灯で照らし見ると、そこには一匹の大きな蟷螂が・・・。
 「虫-きれいな虫?」
 蟷螂と言われても、生まれつき盲目の猶にはその姿をイメージすることが出来ません。
 「うん。つめたくてほっそりとして、さやいんげんのようだよ」姉は分かり易く教えてあげます。
 「やさしい?」妹の問いかけに、「やさしいよ」と応える姉。
 「かわいい?」
 「かわいいよ」
 目を閉じて眠りにつこうとする姉の左腕に、おかっぱの頭を預け、妹の猶はまったく唐突に、冒頭に抜粋した死後の話を始めるのです。まだ幼い盲目の少女が、自分の行き先は地獄であると悟っているのです。それはもう既に決められていたことだと達観しているのです。

 線香の匂いに包まれるこの時期、私はどこかしら冷気と懐かしさを孕んだこの一節を思い浮かべます。今年は亡くなった母にとっては初盆にあたります。母はどこから帰ってくるのでしょうか? あるいはどんな姿をして? 今朝がた網戸にとまっていた小さな蝉を目にし、ふとそんなことを考えてしまいました。

 ちなみに「野分」とは台風の古称です。
 物語の中の猶も、最後は一陣の強い風と共にこの世から去っていきます。栄が駆けつけるも間に合いません。「いっちゃったよ」母親の言葉だけがぽつねんと残されます。
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