セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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あれは一体何だったのか?

   
img_2.jpeg
 村岡ダブルフルまでもう一週間。三回目の出場とはいっても二年ぶりなので、100kmの部のコース図を眺めながら景色をあれこれ想起することで、精神的にも臨戦態勢を高めている。

 その過程でふと思い出した出来事が一点。二年前の第16回大会のレース中に出くわした光景で、このことは当時のブログにも書き残してはいない。自分のことを書くだけで精一杯だったのか、はたまたそのあまりの衝撃に記録することを躊躇したのか、そのあたりの事情は今や定かではない。
 あれから二年……懲りずにまた村岡の激コースに挑むにあたり、今なら冷静にあの出来事を語ることが出来るだろうから、ここに書き残しておくことにする。

 100kmの部の、あれは確か60~70km地点のどこかだったと記憶している。心身共に一番辛い区間で、私は顔を歪ませながらのろくさと走っていた。
 左手下方には川が流れており、ランナーは適度にばらけていた。前後に人影は見えない状態がしばらく続いたような気がする。

 やがて前方に肩を震わせながら弱々しく歩く、一人の女性ランナーの姿が……。ゼッケンの色を憶えていないので、出走部門は定かでないが、遭遇地点から考えて44kmの部でないことだけは確かだ。

 追い越しざまにチラッと様子を窺う。そして仰天した。その女性は顔をぐしゃぐしゃにし、鼻水をすすり上げながら、手酷いイジメに遭った小学生のように泣きべそをかいていたのだ。
 年齢は三十代後半といったところか。痛々しいほどの脚の引き摺り方から察して、肉体的苦痛に耐えかねての泣きべそだろう。知らんぷりをするのも気が引けたので、私はペースを緩め、「大丈夫ですか?」「次のエイドでリタイアを申告したらどうですか?」などと声をかけようと思った。要らぬお節介かもしれないが……。

 そんな風に迷いつつふと前を見ると、数十メートル先で仁王立ちになり、こちらを凝視している男性ランナーが一人。おお、彼女の連れか。これで余計な気を回す必要も無くなったわい……と安堵したのも束の間、男の顔が近づくにつれ、私は恐怖で固まってしまった。
 その形相はまさに仁王さま……いや、不動明王と言うべきか。怖ろしいのは男の睨みが、この私に注がれているような気がしたからに他ならない。
 「野郎、俺のスケにちょっかい出しやがって」
 「違う、誤解だ!」
 妄想と言われようが、その時はそういう風に事態が展開していくとしか思えなかった。そうなればもうマラソンどころではない。言葉が通じるような相手でないとするなら、こちらもひと暴れするしかない。
 だからこそ尚更、次の瞬間男の口から飛び出した言葉に、私はどっと脱力したのだった。

 「泣くな! 走れ!」
 そう……男は女性ランナーに憤怒の形相を向けていたのである。
 「走らんか! 出たい言うたんはどこのどいつや!」

 この二人、夫婦だろうか?……巨人の星も真っ青のやりとりにド肝を抜かれながら、私は考えた。いや、兄妹という線もあり得る。しかし第一印象はどちらかと言えば前者だった。
 にしても、なんという熱血夫婦だろう。誤解しないでほしい。これは断じてDVなどではない。その逆だ。
 「今度ウルトラマラソンにチャレンジしてみようと思うんだけど」
 「やめとけやめとけ。お前にはまだ早い。泣きを見るのがオチだ」
 「でもお友達もみんな挑戦してるし、それにもう服も靴も買っちゃったし」
 想像に過ぎないが、レースに出場するにあたって二人の間で、このような会話が交わされていたに違いない。
 そして男の忠告どおり、村岡の激コースに返り討ちに合い、女は泣きを見る羽目になった。だからこその男の一言。
 「出たい言うたんはどこのどいつや!」

 これは夫の妻に対する愛情なのだ。人の反対を押し切り自分からやると言った以上は、どのような目にあっても泣き言を洩らすな、と夫は妻に教えているのである。なにも恋人気分でベタつくだけが夫婦ではない。そんなのはトレンディードラマに任せておけばいいのだ。

 え、それでもまだDVだとおっしゃる? 思い遣りがないと?
 しかし、よくよく考えてみよう。真のDV夫なら、妻の身の程知らずなウルトラマラソン挑戦に付き合ったりしますか? せっかくの日曜日、ビールでもかっ食らって家でのんびりしてたいですよ。
 でも安くないエントリー代をもう一人分支払って、妻のお供をする。これって気遣いなんじゃないですかね。妻を虐めたいがためにそんな面倒臭いことをする夫がどこにいるというんですかね。

 あの二人……今回も出場するのかなあ。出来るならもう一度会ってみたいけれど、奥さんの方が「もうウルトラは懲り懲り」って言ってそうだなあ(笑)
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