セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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同世代の教科書

   
 先日、同世代の女性と雑談する機会があった。その女性は生まれも育ちも大阪で、私も関西人であることから、子供の頃のテレビ番組に話が及ぶと、否応なしに『吉本新喜劇』が浮上して、「ああ、お互い関西人やなあ……」と嬉しくもあり、反面、げんなりするのであった。
 今の若い人はどうだか知らないが、我々の世代くらいまでは、関西人である以上、多かれ少なかれ、幼年期に吉本新喜劇の影響を受けているといっても過言ではないだろう。
 土日に放送されており、当人に観る気はなくても、家に帰るといつしかテレビで流れているような状態で、こうなると最早、空気と同様である。幼い頃から我々関西人は、知らず知らずの内に、その中で呼吸し、育っていくのだ。
 冷静に考えると、けっこう怖ろしいことですよ、これって(笑)

 新喜劇の話題で一通り盛り上がった後、女性との会話は更にマニアックな方向へと。
 「ちゅうことは、もしかして、アレも知ってる?」と私。
 「アレって?」
 「ほら、アレ……」映像は浮かんでいるのに、題名が出てこない。「寛平とかアホの坂田とかが丁稚奉公するアレや」
 「ああ! 『あっちこっち丁稚』のことやね」

 そうそう、それや!……ニッコリ笑う女性に、私は歓喜する。同世代の関西人による以心伝心である。「やっぱ、知っとったか!」という安堵感だ。
IMG_4674.jpg

 『あっちこっち丁稚』とは、1980年前後に放送されていた(朝日放送だったと思う)一時間くらいの番組で、放送日は日曜の正午だったと記憶している。
 なんば花月の舞台劇の録画放送(時たま生放送もあったかも)で、吉本新喜劇と同じくドタバタコメディであり、ラストに人情を絡めてほろっとさせる辺りも新喜劇そのものなのだが、新喜劇が現代劇なのに対して、こちらは「大正時代の大阪のカステラ老舗」を舞台に芝居が展開する。

 この老舗で奉公する丁稚(雑用係)が主人公で、仕事は大して出来ないけれど、どこか憎めない丁稚が、毎回つまらない失敗や勘違いをやらかしながらも、店のために奮闘するという、「新喜劇の王道パターン」を、ここでもしっかり踏襲している。観ていて安心、というやつだ。

 しっかし、いくら同世代とは言え、「女性」がこの番組を子供時分に観ており、尚且つ記憶していることに、私は少し驚いた。
 経験上、もしやと思い、訪ねてみた。「ひょっとして、実家はお商売?」
 「ええ」と女性。
 出たーっ! 案の定である!

 私の知る限りでは、当時、関西の商売人の家では、「親が積極的に」この番組を子供に鑑賞させていた節がある。
 関西弁の飛び交う単なるドタバタ喜劇と言えばそれまでだが、まだ小さい跡継ぎに、「商売とはこんなもんやで」と教えるのには、けっこう良い教科書だったのではなかろうか(一部の下ネタ・ギャグは別にして)。
 一見バカバカしい舞台劇をキャッキャ言いながら鑑賞することによって、商家の跡取りは、いつしか「なにわの商いの姿勢」を学んでいるという仕組みである。

 「相手がお馴染みさんでも、初対面でも、とにかく『毎度、ええ天気でおまんな』言うとけば角が立たへんねん」
 「『どうでっか?』訊かれたら、『ぼちぼちでんな』言うとけばええんや」

 上記のようなことを、無意識のうちに学ばせるために、商家の親は、我が子に「あっちこっち丁稚」を観せていた節があるのだ。
 実際、私の知っている同世代の跡取りたちは、ほぼ100パーセントの確率で、当時家族ぐるみであの番組に親しんでいたという。
 なので「もしや」と思い、女性にも訊いてみたのだが、これがまさに図星だった。
 女性の場合は結婚して家を離れたので、家業は弟が継いでいるという。

 「帝王学」なる学問があり、支配者階級の子弟は幼少時から、それを学ぶというが、私と同世代の関西の「あきんどの子弟」たちにとっては、吉本発の「あっちこっち丁稚」が、良きにつけ悪しきにつけ精神基盤を形成する一角となっている可能性も否定できないのだ。
 そう考えると、何だか怖ろしいなあ(笑)
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