セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
<< 2017 >>
プロフィール

まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
フリーエリア
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
アクセスカウンター


スポンサーサイト

   
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| - | - | page top |

第19回村岡ダブルフルウルトラランニング(終章)

   
 さあ、いよいよ一日がかりの100kmレースも大詰め。峠の最終エイドからゴール会場である村岡小学校まで、4.5kmのだらだら坂を駆け下る。
 エイドでペンライトをお借り出来ないか訊ねたところ、「ごめんなぁ、ここにはあらへんねん」とのこと。会場にある程度近付くまでは、街灯もほとんど無い夜道が続くけれど、初めて走る道でなし、何とかなるだろう。
 ただ雨降りで視界不良のため、マンホールの蓋などは注意深く避けなくては、踏みつけた瞬間スリップしかねない。

 しばらくは深い闇を走る。前後で足音と共にペンライトの明かりが弾んでいるが、いかんせん光量が少なすぎ、さほど役に立っているとは思えない。山国の夜の奥行きは、やはり格別だ。
 村岡の町が近付くにつれ、少しずつ明かりが増し始める。とは言えそれは街灯でなく、スタッフさんや近隣住民の方々が、沿道から、車やバイクのヘッドライトで、我々の足元を照らして下さっているのである。

 やがて道の両側に、建物が連なり始める。こんな天気なので、さすがにいつもよりその数は少ないが、それでも歩道には雨傘をさした幾つもの人影があり、「頑張りや! あとちょっと!」「お帰り! お疲れさん!」などの声が飛ぶ。
 雨粒が目にしみて、それら声の主が、どのような表情をなさっているかよく分からないのだけど、せめてもの感謝の気持ちを表すため、通過する際には小さく一礼する。

 ついに前方から会場のアナウンスが聞こえ始めた。同時に沿道の人影は見る間に増え、村岡小学校から発せられるの照明を背に受け、輪郭だけを闇に浮かび上がらせたそれらの人々の姿は、まるで後光を纏った仏様の化身のようにさえ思える。
 そこに吸い込まれるよう近付いていく私はと言えば、映画「未知との遭遇」で巨大なマザーシップを前にして陶酔するあの主人公に近い心境である。14時間をかけて100kmもの移動を果たし、私は今、「村岡」という母船に還ってきたのだ。
 アベベさんも無事、帰還を果たしただろうか……頭の片隅でそんなことを考えながら、私は、村岡小学校の校庭の花道へと入っていく。
20161002133422bf6.jpg

 降雨で校庭は見事にぬかるんでいたけれど、花道の両側で温かく出迎えて下さるスタッフさんやランナーさんを前にして、泥はねなどに構ってはいられない。「ありがとう」や「おおきに」を連発し、差し出された数々の手にタッチしていく。

 いつもこの花道では、ゴールへ向かう一瞬をカメラに収めたい衝動に駆られるのだけど、せっかく皆さんが待ち受けて下さっているそんな時に、写真撮影で立ち止まったりなんかするのは、個人的になんとも無粋な気がするので控えている。その場の流れに気持ち良く身をゆだね、吸い込まれるようにゴールテープを切るのが望ましい。

 そんなわけだから、いつもブログのゴールシーンの写真は、ネット画像から拝借してお茶を濁しているのだけど、それではあまりに味気ない。
 そこで今回は、「スタート前にゴールの舞台を写しておく」という手段に出た。ランナーがスタート位置に集まっている間に、こそっと校庭へ行って、設営済みの花道やゴールゲートを撮影しておいたのである。

 人影の無い早朝のゴールを撮影することには、予想外の効果もあった。一人ゴールゲートを見上げたりなんかしていると、「今回も、意地でもここへ戻って来るぞ」という決意が強固になる。
 高校球児が人影の無い甲子園のアルプススタンドに立って、グラウンドを眺め、そこでプレーする自分の姿をイメージするようなものだ(そんなええもんか?、という声もあるが、この際無視する)。
 よって、この記事の読者さんには、画像の花道やゴールゲートに雨が降り注いでいる様を脳内補完していただけると幸いである。
20161002133452bbe.jpg

 びしょ濡れの姿でゴールする寸前、ギャラリーの一角から、予想もしなかった声が飛んだ。
 「まんたさぁーん、お帰りなさい!」
 びっくりしてそこを見ると、傘を差した海水さんが手を振っていた。突然のことで声が出ず、笑って手を振り返した。
 私より後方を走っていた海水さんが、着替えを済ませ、この時間、ここにいるということは、つまり、完走出来なかったことを意味している。それなのにゴール閉鎖時刻ギリギリまで雨の中で佇み、見つけ出し、声を張り上げてくださったことは、予想外だっただけに感動もひとしおだった。
 ゴールラインを跨いだ瞬間、「全てが報われた」と思った。
20160925184515.jpg

 グロスタイムで【13時間45分19秒】……ゴール閉鎖時刻である午後7時まで、残すところ15分。
 時間的余裕の無い、シビアな展開だったけれど(毎度のことやけど)、4回目となる村岡100kmも、どうにか完走という形で幕を閉じることが出来た。

 完走タオルをかけてもらった後、靴のチップを外してもらうため、椅子に腰を下ろす。完走を果たした安堵感から、ドッと疲れが湧き出る瞬間だ。ぬかるんだ足元にひざまづいて、係員さんがチップを回収してくださる。お礼を言いたいが、半ば思考停止しているゆえ、言葉が出ない。キャップの鍔から滴る雨水だけが、やけに鮮明に映った。

 完走証を発行してもらい、腕時計を見る。6時55分。7時半発のバスに乗って帰らないといけないので、これ以上余韻に浸っている暇はない。
 海水さんを探し出して、せめて一言お礼を述べたかったが、これだけの人混みだと断念せざるを得ない。海水さん、今回は残念な結果に終わったみたいだけれど、また村岡ダブルフルでお会いしましょう。リベンジマッチに際して、このブログ(たいがいアホなブログですけど)が、ほんの少しでもお役に立てれば幸いです。

 足を引きずりながら荷物預け場の村岡中学校へ向かおうとした時、「まんたさん!」と、今度は男性の声が掛かった。
 傘を差した師匠である。お猿の衣装を脱ぎ、普通の服に着替えている。
 「完走したんやな。わしはあかんかったわ、50kmでリタイアや」
 予想は出来ていたとはいえ、お掛けする言葉がとっさに見つからず、私は言う。「でも、今回も首の皮一枚ですわ」
 その瞬間、師匠がにっこりと笑った。
 「でも、完走は完走やで」
 何気ない言葉だっただけに、尚更涙腺が崩壊しそうになった、いや、崩壊した。
 てやんでぇ、泣かせやがる(こういう時だけ、江戸っ子になるんですな)……大の男が気恥ずかしい。この時ばかりは降りかかる雨に感謝した。
 「また来年」と固い握手を交わし、師匠とはお別れした。
241417513_624_v1475390492.jpg

 間もなく、競技終了を告げる巨大花火が、轟音と共に夜空を染めた。ああ、終わったんやなあ……としみじみそれを見上げた。

 今回偶然相部屋となり、抜きつ抜かれつでおよそコースの9割を共に走ったアベベさん。私がバテながらも終いまでモチベーションを保ち続けられたのは、ひとえにアベベさんと併走できたからである。そういう意味では、非常にラッキーだった。
 そのアベベさんに終盤ついて行けず、見失ったままゴールし、ゴール後もとうとうお会い出来ぬまま帰りのバスに飛び乗ったのだけれど、後に発表された完走記録によれば、私の7分ほど前に無事ゴールされているようなので安心した。
 アベベさんとはまたいずれ、どこかの大会で再会することもあるだろう。いや、来年の村岡で、お互い120kmのゼッケンを着けてご一緒することになるかも知れない。そんな時が訪れるのを、今から楽しみにしている。
 いずれにせよ、アベベさん無しに、私の今回の完走は有り得なかったと思っているので、お礼の言葉はその時まで大切にしまっておきます。

 さて、『第19回村岡ダブルフルウルトラランニング』のレポートも、これにて店仕舞いです。
 今回無事100kmを走らせてもらって、自分が「人に恵まれている」ことを痛感しました。偶然であったり、このブログがきっかけであったりと、形は様々なのですが、とにかく「良き人たち」が、完走を目指す私の力になって下さるのです。
 歓迎祭の抽選会では外れっぱなしの私ですが(笑)、その分の運気が、良き人たちとの出会いとなって作用しているのかもしれません。

 毎度ギリギリの完走で、帰りのバスに飛び乗らないといけない事情はあるにせよ、そういう人たちにご挨拶の一つも出来ず、不義理を重ねている次第です。この場を借りてお詫び申し上げます。
 今後とも、呆れずに、どうぞ相手になってやってください<(_ _)>
スポンサーサイト
| comments(4) | trackbacks(0) | page top |
傘の人は私じゃないんですよ
何故なら傘は持って行ってなかったからです。
まんたさんファンが、私以外にもいるんですよ〜

私は帰ってくるランナーさんからは左手にいました。

あの、バイク隊の細やかな気遣いと運転の巧さは素晴らしいですね。

力のコントロール、私の勉強していることにも通じます。
ハチ北のてっぺんまで走らなくても、後でいくらでも挽回できるということが、今回よくわかったので(そういう記憶力だけはいいんです)…やっぱり100に…いやいや、ゆっくり考えます(^ ^)

私は次は加古川です。その次は多分来年6月のリレーフォーライフ、そして村岡でしょうか(諸事情により、あんまり大会に出られません)
私も来年もスタート会場でお探ししますね、またお会いできるのを楽しみにしております。
No title
まんたさんのレポ読んで
村岡の風景がまぶたの裏に浮かんで来ました。
やっぱり村岡はいいなぁ・・・
来年は帰るぞ~!

ピンクうさぎさんは前回スタート前にお話したなぁ
木曽100km繋がりで

アベベさん、なんかどこかの大会で見たことあるかも?
まんたさんと同じペースと言えば私とも同じくらいかな?来年への楽しみが増えました
レポートゴールおめでとうございます。
>>海水さん
「傘のくだり」は完全な思い込みでした。失礼しました。
私から向かって左側に、声と同時に海水さんを確認したまでは自信ありなのですが、
傘の有無まではあやふやでして。

実は「師匠のくだり」も、師匠が傘をさしていたように思うだけで、自信はいまいちなんですよ。

「他にもまんたさんファンが」……いないと思いますよ^_^;
>>pink_manさん
ありがとうございます。
来年はぜひ特別コースでご一緒しましょう。

ところで村岡って、お遍路仮装が割と多いですよね。
今回、アベベさん以外にも三人見かけました。
真言宗の長楽寺がコースに入っている関係なんですかね。


この記事のトラックバックURL:
http://masahashi.blog.fc2.com/tb.php/366-98e15f5a
<< NEW | TOP | OLD>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。