セコさと意地だけで挑むマラソン大会や、しみじみとした日常を綴ります。



   
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まんた1968

Author:まんた1968
数年前からランニングを続けている奈良県在住のオッサンです。
年に二、三回ですが、ウルトラマラソンにも挑戦しています。
タイムは凡庸なものですが、完走を目標に意地で走りつづけることを得意としています(笑)。

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第16回村岡ダブルフルウルトラランニング(その3)

   
 市原エイドを分岐点として、88km・66kmのランナーたちは村岡ダブルフル最大の難所である蘇武岳への登坂へと突入していくのですが、我々100kmの部だけはその前に、猿尾滝方面へと寄り道させられます。
 この寄り道がまた長い。しかも滝を目指すのですから必然的に、往路は上り加減になります。100kmランナーはコース最大の苦しみを前にして、ボディーブローのように後から効いてくる鈍い苦しみを、幾つも味わわないといけないのです。
 その苦しみを分かち合うかのように、我々100kmランナーはすれ違いざまに、互いに声をかけあいます。そう、この猿尾滝方面への道は、完全折り返しなのです。尚且つすれ違うランナーは100kmの部しかいないのです。
 私がこのルートに入って間もなく、前方からぱらぱらと瞬足のランナーたちが既にUターンを終え、こちらへ向かって走ってくるのが見えました。そしてすれ違い。この際に先行する者は後を追う者に「励ましの一言」を。対して後を追う者は「お礼の一言」をかけるのです。
 フルやハーフではあまり見られないこのやり取りが、どれだけ励みになることか。ウルトラをやるようになって、私も初めてその効果のほどを実感するようになりました。だから私は村岡の100kmコースでは、実はこの猿尾滝の区間が一番好きだったりするのです。

 市原分岐点から2kmほど走ると滝に到着です。ここにエイドがあります。これがかの有名な100kmの部限定の「流しそうめんエイド」と呼ばれるものです。もちろんそうめん以外にも様々な食べ物が用意されているのですが、ここに来てそうめんを食わない手はありません。事細かな説明よりも、「村岡で流しそうめんを食った」と言うだけで、100kmに参加した何よりの証となるのですから。
20131002143211b5d.jpg

 私もエイドの前で立ち止まりました。そしてメニューに目を走らせるとおととしには見当たらなかった「ぜんざい」があるではありませんか。
 実は私お汁粉とともに大好物なのです。ですが、そうめんの直後に甘味というのはいかにも不粋です。そこでいいことを思いつきました。実はこのルート、折り返し点までまだ2km走らないとならないのです。ようするに、ぜんざいは復路のお楽しみにとっておこうと考えたのです。ぜんざい食いたさにこの4km、ペースアップしてしまいそうで怖いのですが(^_^)
 今食うか食わざるべきか…たぶん迷いが顔に出ていたのでしょう、エイドのおばさんが声をかけてくださいました。
「まんたさん、ぜんざい食べる? それとも帰りにする? どっちでもええよ」
 ゼッケンのニックネームで呼ばれるとなんとも嬉しいものです。
「じゃあ帰りに貰いますわ」と私。
 するとおばさん、やにわに後ろを振り返り、調理係の人に向かってラーメン屋さんのように活きの良い声を張り上げます。
「まんたさん、帰りにぜんざい一つね!!」
 その声のあまりの活力に気圧されて、私はついに「二つ」とは言い出せずじまいでした。

 さて100km限定ゾーンも走破し、市原へ戻ると、お次はいよいよ問題の蘇武岳登坂開始です。耀山の辺りで進路を東へ切った直後の恐怖感といったらありません。。眼前にはクルマでさえローギアでしか無理だろうと思えるほど急勾配の坂が、まるで巨大な壁のように立ちふさがるのですから。
 ああ、始まった…おととし味わった苦痛がまざまざと蘇ります。「無理せんことや…」近くのランナーが自分に言い聞かせるように呟いているのが聞こえました。

 耀山エイドを少し行った先で民家のおばさんがアイスティーをごちそうしてくれました。
 私設エイドといった体裁をとっていなくても、こうして気軽に「まあ飲んでいき」的に声をかけてくださる方が、この大会には大勢いらっしゃるのです。我々参加者は、エントリー代以上のものを頂いています。あらためて感謝です。
 このおばさんが、今から我々が挑もうとする蘇武岳のことを「お蘇武さん」と呼んでいたのが印象的でした。標高1040mの巨峰は昔からこの一帯の人々に、時には神々しく、時には人懐っこく親しまれてきたのでしょうね。

 ひたすらの急勾配が続きます。あのおばさんの家が人の住む最高地点らしく、以後民家らしきものには出会いません。当然沿道の応援もありません。あるのは少しでも前に進もうとする気力と、勾配にあえぐ息づかい、そして身につけた熊除けの鈴の音だけです。
 苦行にも似た時間帯です。いい加減投げ出したくなります。しかし本大会はそんな参加者の苦痛を少しでも和らげようと、沿道にサプライズを設置してくださっています。それが参加者一人一人に向けた「応援プラカード」です。
 ゼッケンの順番に設置されたそれらは、ランナーにとって命の水です。自分のものに辿り着いた瞬間は、まさしく砂漠でオアシスの心持ちです。
 私のそれには名前と、「二度目の村岡」というメッセージが書かれていました。
 偶然近くにおられ、「撮りましょうか?」と声をかけてくださった男のランナーさん、本当にありがとうございました(この方も奈良の人でした。ビブラムフィンガーズを履いておられたのが印象的でした)。自分のランニングキャップをプラカードに被せた写真だと、まるで墓標になるところでした。
20131002144328b23.jpg

 そしてようやくのこと蘇武の展望台にたどり着きました。晴れ渡るこの絶景を目にした途端、長い長いトンネルを抜け出したような気分になりました。周囲のすべてがここより低く見えます。「お蘇武さん」の偉大さです。
20131002144322cee.jpg

 広場では村岡高校生が吹奏楽でランナーたちを迎えてくれます。
 50km…やっと半分です。おととしの通過タイムは5時間49分でした。今回は意識してセーブしたので遅れていて当然のはずです。
 腕時計を見ます。そして愕然としました。遅れてはいるのですが、たったの15分! 自分としては最低でも半時間遅らすつもりでいたのですが。
20131002144310832.jpg

 どこで間違ったのでしょう?…思い当たるのは以下の二点。
 ①福岡で待機中の66kmの部のランナーたちとハイタッチした直後。
  高揚感の極致で舞い上がり、自然とペースアップしてしまった。

 ②和池公民館の前後。
  100、88、66kmのランナーが入り乱れた際、とりわけスタート直後の66kmランナーに負けじとハイペースになってしまった。

 要するに「調子乗り」が露呈してしまったということですね、これは(゚´Д`゚)
 ああ、おおとしの二の舞になるというのか…。
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